保育士が受けがちなパワハラ事例とは?ダウンする前に対処法を知ろう!
社会的な問題にもなっているパワーハラスメント、略してパワハラ。保育士の世界にも、パワハラはあります。大切な子どもたちを預かる、責任重大な仕事をする上にパワハラの被害に遭ってしまうと、精神的に追い詰められてしまうでしょう。ここでは、そんなパワハラの被害に遭ったときの対処法をご紹介します。
まずはパワハラの定義を知ろう!
そもそもパワハラとはどのようなものなのでしょうか?パワハラは、厚生労働省によって3つの定義が定められています。一つ目が、優越的な関係に基づいて行われること。二つ目が、業務の適正範囲を超えて行われること。そして三つ目が、身体的もしくは精神的な苦痛を与えることとされています。
これらの定義に基づいて考えると、パワハラ行為は、身体的暴力はもちろん、精神的な暴力を受けることや、意図的に集団から孤立させられること、過度な仕事量を任せられること、業務とは関係ないことをさせられること、あえてわずかな仕事しか与えられないこと、残業など時間外労働を強要されることなどが挙げられます。そしてこれらの行為を、職場での立場を利用して行われるのがパワハラです。
保育士が受けがちなパワハラ事例
残念ながら、保育士の世界にもパワハラはあります。しかし、パワハラと厳しい指導は紙一重です。保育士という仕事は、大切な子どもを預かる仕事なので、生半可な気持ちではできません。そのため、職場によっては厳しく指導されることもあるのです。
つまり、厳しい指導とパワハラを見分ける必要があります。ここからは、保育士が実際に受けやすいパワハラの事例をご紹介します。
子ども・他の職員の前で怒られる
保育士の世界だからこそあるパワハラとも言えるのが、子どもの前で怒られることです。子どもの前で大人が理不尽に怒ると、子どもにとっても悪影響になってしまいます。怒り方次第では、子どものトラウマになってしまい、保育園に行きたがらないなんて子ども出てきます。
またよくあるのは、他の職員の前で怒られることです。職員会議のときに、他の職員の前で理不尽に怒られ、謝罪をさせられることがあります。他にも、他の職員の前で自分がしたミスを発表させられるなんてこともあるのです。人前で、理不尽な理由でひどく怒られるのは、精神的なダメージを大きく受けるでしょう。
無視をされる
無視は、立派ないじめです。暴力を振るっていなくても、心の暴力になります。無視されるだけで精神的なダメージを受けるのに加えて、仕事でも情報共有ができなくなり、ミスに繋がってしまいます。仕事に支障が出るような無視は、立派なパワハラ行為と言えるでしょう。
人格を否定される
あなたのミスを必要以上に責め、「なぜこんなことができないのか」「保育士に向いていない」など、人格そのものを否定する行為も、パワハラです。人格否定をされると、その言葉に傷つくことはもちろん、自分に自信をなくしてしまいます。
責任を一方的に押し付けられる
保育士の仕事をする中で、誰しもミスをしてしまうことはあります。その中でも、子どもに怪我をさせてしまったなどのトラブルは、保育園の職員全員で協力をし、保護者に謝罪や説明をしたり、改善に努めたりしなければなりません。
しかし、そのような状況になったとき、「迷惑をかけないで」などと言って、責任を一方的に押し付けられることがあります。みんなで対処しなければならないトラブルやミスを、一人に一方的に押し付けるのも、パワハラになります。
労働環境を侵す
保育士の仕事は、子どもたちの世話をする以外にも、事務作業が山ほどあります。しかし、だからといって強制的な時間外労働をさせたり、休憩時間を与えなかったりすることもパワハラ行為です。強制的な時間外労働は、身体的疲労だけでなく、精神的な疲労も蓄積されていきます。
また、残業はさせなくても、家に持ち帰って仕事をすることを強要したり、体力的に負担が重すぎるシフトを作成したりするのもパワハラです。他にも、不当な理由で減給をするというパワハラもあります。
保育士がパワハラを受けてしまった際の対処法
保育士として働いている方、これから保育士を目指したいという方は、上記のようなパワハラを受けてしまわないか、不安になりますよね。そこでここからは、万が一保育士がパワハラを受けてしまったときの対処法をご紹介します。
しっかり休む
パワハラの被害に遭ったら、まずはしっかり休暇をとりましょう。子どもたちのことが心配だったり、休暇をとることでまた何か言われるのではないかと不安になったりするかもしれませんが、パワハラを受け続けたまま勤務をしていたら、心も体も壊れてしまいます。そうなる前に、勇気を出して体と心を休めてください。
誰かに相談する
信頼できる誰かに、パワハラを受けていることを相談しましょう。職場とは関係ない友人や家族に話すのも良いですが、同じ職場で信頼できる先輩などに相談するのも良いです。一人で抱え込まず、誰かに話を聞いてもらうだけで、心が軽くなります。
パワハラの証拠をとっておき公の機関に相談する
日本には、パワハラについて相談できる、公の機関があります。その際重要となるのが、パワハラの証拠です。今はまだ公の機関に相談する気はなくても、そのうち相談することがあるかもしれません。そんなときのために、明らかにパワハラ行為を受けているときは証拠をとっておきましょう。
有効な証拠としては、ICレコーダーや、スマホの録音や撮影映像、防犯カメラ映像、医師による診断書、パワハラを受けた記録を残したノートなどが挙げられます。これらの証拠を持って公の機関に相談すれば、専門家の助言を受けることができます。
転職する
明らかなパワハラ被害に遭い、一刻も早く被害から逃れたいというときは、思い切って転職をしましょう。自分の体や心を壊してまで、同じ保育園に勤める必要はありません。あなたのこれまでの保育士経験を活かせる職場は、他にもきっとあるはずです。
職場で起こるハラスメントはパワハラ以外にも!
職場で起こるハラスメントは、パワハラだけではありません。精神的に追い詰めるモラハラ、性的な発言や行為をされるセクハラ、妊娠中の女性に対して嫌がらせをするマタハラなどが挙げられます。万が一これらのハラスメント被害に遭ったときは、パワハラのときと同様の対処法で、自分の体と心を守ってください。
保育士が受けやすいパワハラの事例と、対処法をご紹介しました。保育士は責任のある仕事ですが、だからといってその指導が行き過ぎてしまうとパワハラになります。もし今パワハラに悩んでいる保育士の方がいたら、どうかそのまま我慢することはせず、ご紹介した対処法で自分の身を守ってください。保育士の方が笑顔で仕事ができることが、子どもたちの笑顔にも繋がるでしょう。