保育園と幼稚園の違いとは?自分に合った職場はどちらなのか?
保育園と幼稚園との違いをご存じでしょうか。両者は管轄や特徴に明確な違いがあるため、よく理解することで、自分がどちらに向いているかがわかります。この記事では、保育園と幼稚園の違いに加え、メリット・デメリットについて詳しく解説しています。目指す道が決まり、転職のきっかけにできるため、参考にしてください。
保育園と幼稚園の違い
保育園と幼稚園のメリット・デメリットを考えるにあたって、両者の違いについて把握しておきましょう。
保育園の特徴
保育園は厚生労働省が管轄している教育施設です。以前は、福祉の観点で運営されている施設でしたが、2018年からは教育施設として位置づけられ、集団行動を通して心身の健全な成長をめざしています。
保育園は、親が働いているあいだ、小学校入学までの子どもを預ける施設としての機能が主です。また、子どもを預かるだけではなく、遊びを通じた集団行動の基礎を学ぶのが、保育所の重要な目的です。
保育園の種類は、大きくわけて2種類あります。規模や職員の数など、国の基準を満たした「認可保育園」と、基準を満たさない「認可外保育園」です。子どもを預かり、指導しているのは保育士資格を持った従業員です。保育園での活動内容は、トイレや着替えのトレーニングなどで、社会に出るための最低限の訓練をしています。
幼稚園の特徴
保育園は文部科学省が管轄している教育施設です。3歳から義務教育前の子どもに対して、義務教育に向けて基礎訓練をすることが幼稚園の目的です。
幼稚園には、大きく分けて、市などが運営する「公立幼稚園」と、学校法人などが運営する「私立幼稚園」があります。子どもを指導するには幼稚園教諭の資格が必要です。
幼稚園における活動内容は、集団行動の中での協調性を学ぶことですが、ある程度の学習カリキュラムを伴うケースがあります。特に私立幼稚園は独自のカリキュラムを実施する傾向があり、運動や語学など、園ごとに多彩な指導内容があり、大変個性的です。
保育士と幼稚園教諭の違い
保育士および幼稚園教諭になるには、どちらも資格が必要です。また、保育士と幼稚園教諭の年収は、月給と賞与どちらにもほとんど差がなく、どちらを目指しても大きな差はないように見えるかもしれません。しかし、細かな部分で異なっているため、違いを正しく理解することが必要です。
働き方
一番大きな違いは、働き方です。保育園の保育標準時間は子どもの送り迎えや預かりを伴うため11時間ほどであるため、正社員の保育士はシフト制の勤務形態を取ることが多いです。また、子どもを預かる曜日は平日に限定されないため、休みはシフトによって変わる傾向があります。
一方、幼稚園教諭が子どもに対応する時間は朝から14時ごろまでなど、一定であるケースが多く見られます。よって、比較的勤務時間が固定されており、土日祝は基本的に休みです。
転職
転職活動は、保育園と幼稚園でそれほど違いがありませんが、私立と公立で求人が出るタイミングが異なります。私立は1年中募集していることが多いです。その中でも4月入社が多いため、秋ごろから採用がはじまる傾向があります。
一方で、公立は1年に1回しか募集がありません。転職活動において必須なのは企業からの求人です。求人にたどり着けなければ転職できません。私立か公立か、どちらを希望するのかによって活動時期が異なるため、求人が動き出す時期を把握しておきましょう。
年間行事
年間行事は、幼稚園が多い傾向にあります。保育園は子どもが小さく、主体的にイベントに関われないことが理由として考えられます。PTAが存在する幼稚園も多く、さまざまな経験を積めるでしょう。
保育士と幼稚園教諭のメリット
保育士と幼稚園教諭のメリットを挙げます。特徴を把握し、自分の向いている方向に進む参考にしてください。
保育士
0歳近い子どもと接することは、保育士しかできません。気をつかうケースも多いですが、大きなやりがいを得られるでしょう。また、保育士は、児童養護施設、デイサービスなど、保育園だけでなく多くの施設で働ける資格です。
乳児のあつかいのスペシャリストとして、ベビーシッターなどにも重宝され、働く場が小さく限定されないことが大きなメリットです。
幼稚園教諭
幼稚園教諭の仕事は義務教育前の教育がメインであるため、保育所にくらべ、社会に出るまでの実践的な教育の経験を積むことができます。また、勤務時間が規則的であるため、休みは土日祝に固定されやすく、長期休暇が取りやすいことはメリットでしょう。
イベントなどの際は休日出勤になることもありますが、基本的には旅行や私用の計画が立てやすい傾向があります。
保育士と幼稚園教諭の資格を両方取ることは可能?
保育士と幼稚園教諭の資格を両方取ることは可能ですが、保育士は資格試験に合格すればなれる一方、幼稚園教諭は基本的に大学や短大で資格を取得することが求められます。よって、幼稚園教諭は、若干敷居が高い傾向にあります。
一方の資格を保有していることにより、新しい資格の必要単位数が免除される幼保特例制度があるので、活用してはいかがでしょうか。両方の資格を保有することで、内閣府が管轄する、幼稚園と保育園の性質を持つ「認定こども園」で活躍でき、保育園と幼稚園に限定しない多様な働き方ができます。
まとめ
保育園と幼稚園の違い、メリット・デメリットについて解説してきました。保育園と幼稚園は、働き方や、対応する子どもの年齢、教育内容が異なるため、特徴をよく確認し、希望する方の資格を取得しましょう。
資格取得後は、求人が出される時期に違いがあるため、園の動きを確認し、貴重な求人を逃さないようにしたいものです。保育士や幼稚園教諭になりたい方の参考になれば幸いです。