保育士の年収はどれくらい?収入を上げる方法についても解説!
少子高齢化で子どもの人口が減っている一方、共働き世帯やシングル家庭の増加によって、保育士の需要が高まっているのが現在の日本です。そのため、保育士を目指そうと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし「保育士は給料が低い」というイメージを持つ方もいるでしょう。ここでは、そんな保育士の年収について徹底解説します。
保育士の年収相場
まずは、保育士の年収相場をチェックしましょう。保育士の全国平均年収は340万円、月収にすると約23万円とされています。しかしその中でも、年齢や地域によって年収が異なります。
年代別保育士の平均年収
保育士の平均年収を、年代別にまとめました。
20代前半:286.2万円
20代後半:323.3万円
30代前半:338万円
30代後半:341.3万円
40代前半:363万円
40代後半:371.2万円
50代前半:388.4万円
50代後半:401.1万円
60代前半:427.9万円
保育士は65歳で定年を迎えることが多いですが、中には再雇用として65歳以上になっても働く方がいます。65歳以上で再雇用として働く場合、382.3万円と、少し下がります。保育士は経験を積むごとに給料も上がっていくため、年齢を重ねて勤続年数が長くなるにつれて年収も上がります。
都道府県別保育士の平均年収
全国の中でも平均年収が最も高い都道府県は京都府で、401.1万円となっています。2位は394.3万円の東京都、3位は372.8万円の愛知県です。全国の中で最も平均年収が低いのは島根県で、279.7万円です。
1位の京都府と最下位の島根県では、121.4万円もの差があることがわかります。保育士の世界では、都市部ほど平均年収は高い傾向にあり、これは都市部のほうが多くの補助金が支給されるからとされています。
保育士の年収は公立と私立で違ってくる?
保育園には、学校のように公立と私立があります。この公立と私立で、平均年収に違いはあるのでしょうか?
公立保育園に勤めている場合は345万円とされています。一方私立保育園に勤めている場合は306万円です。保育士の中でも主任保育士になると、公立保育園に勤めている場合は596万円、私立保育園に勤めている場合は460万円となっています。そして施設長になると、公立保育園に勤めている場合は654万円、私立保育園に勤めている場合は638万円です。
このように見ていくと、公立保育園の方が年収は高いことが見て取れます。また、公立保育園に勤める保育士は、地方公務員という扱いになります。そのため、給料だけでなく、社会保険への加入、産休育休制度の整備、昇給・ボーナス制度がきちんと整っているのが特徴です。
ただし、同じ地区の中で数年に一度転勤する可能性があります。平均年収だけみれば、公立保育園の保育士を目指したほうが良いと考える方が多いでしょう。しかし、保育士の中でも施設長の役職になると、勤続年数に差があるにも関わらず、年収は大して差がないということがあります。これは、私立保育園の方が実力社会の傾向にあり、実力さえあれば、勤続年数はそこまで重視せずに昇格することができるからです。
また私立幼稚園の場合、給料や福利厚生は勤める保育園によって異なります。公立保育園と違って転勤がないため、同じ保育園で長く働くことができるのもメリットです。保育士としてどのようにキャリアアップしていきたいかによって、公立保育園で働くべきか、私立保育園で働くべきか変わってくるといえます。
保育士が年収を上げるためには?
必要不可欠な保育士ですが、まだまだ年収が高い職業とは言えません。どうせ保育士として働くなら、年収は高い方が良いですよね。ここからは、保育士が年収を上げる方法をご紹介します。
勤めている保育園で役職につく
年収を上げる方法としてまず挙げられるのが、役職につくことです。従来、保育園の役職は、主任や施設長しかありませんでした。主任や施設長の役職につくためには、長年の保育士としての経験が必要となり、給料が上がるまでの道のりはかなり長かったのです。しかし、2017年度に始まった「保育士処遇改善等加算Ⅱ」という制度で、新たに3つの役職が設けられました。
それらの役職は、保育士として3年以上の経験があり、一定条件を満たしていればつくことができ、役職に就くと給料が月1万円加算されるのです。さらに、保育士として7年以上の経験があり、一定条件を満たして役職につけば、月4万円の手当が加算されます。
今まで昇給がなかなか期待できなかった保育士という仕事も、時代の流れとともに保育士の需要が高まってきていることから、このような制度が設けられたのです。
給料の良い保育園に転職する
現在勤めている保育園の給料が低いと感じているのであれば、他の給料の良い保育園に転職するのも一つの手です。フルタイムの正社員としての転職ももちろん良いですが、最近は保育士の派遣社員の求人も多く出ています。派遣社員は、時給が高く待遇も良いことが多いのでおすすめです。
保育士の平均年収と、年収を上げる方法をご紹介しました。まだまだ高いとは言えない保育士の年収ですが、処遇改善加算制度の導入など、少しずつ保育士の年収が上がるように国も動いています。自分が今勤めている保育園がある地域や、年齢、待遇面などを考えながら、転職も視野に入れながら年収アップを目指してみてください。